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(目的)
第1条 この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。
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解説
法律の第1条というと、たいていはその法律の「目的」が規定され、お飾り的な意味合いが強く、あまり注目されませんが、条文数の少ない労働契約法にとっては、とても大切な意味合いを持ちます。
労働契約法第1条では、法律全体をコンパクトにし、この法律で何を前提とし、何を目指しているのかを指示しているといえます。
第1には、労働契約が労働者と使用者との間の自主的な交渉であること。
第2に、労働条件は「合意」によって成立し、「合意」によって変更するということ。
第3に、労働者が契約当事者以上の特別な保護を受け、労働関係の安定を実現するということ。
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ワンポイント解説
この法律では、労働契約が労働者及び使用者間の「自主的な合意」としながらも、最後には「労働者の保護」と明記されています。一見矛盾しているようにも見えますが、契約当事者間を単純に対等な立場に置かず、労働者保護という理念が根底にあることに注意しなければなりません。
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